マラソンによるダメージからの回復【BCAAサプリの効果】論文

ラソン前のサプリメント、マラソンレース後のサプリメントといったものも販売されています。

中でも、BCAAといったアミノ酸は、レース中のパフォーマンスを改善させるとか、レース後の回復を向上させるのではないかと言われています。

前回、BCAAアミノ酸サプリメントの摂取について書いたのて、ついでに筋肉ダメージについてどういった効果があるのか。

そういった試験が行われていたので、論文からわかりやすく中身を紹介します。
世界では、いろんなことが研究されているもんですね。

今回紹介する話では、7日間BCAAアミノ酸を摂取することでマラソン中の筋肉ダメージを予防できるかということを調べています。

BCAAアミノ酸というのは、体内で作ることのできない分岐差アミノと呼ばれるものです。

今回の論文では、46人のランナーに参加してもらって試験をしています。

この46人を無作為に二つのグループに分けています。

1つのグループ 25人は、BCAAサプリメントを摂る群。
もう1つのグループ 21人は、対照群として、等しいカロリーの偽薬を摂取してもらっています。

BCAAサプリメントは、ロイシン、イソロイシン、バリンを2:1:1の比率で1日当たり5gとしています。

ラソンレースの前7日間摂取してもらっています。

ラソンレース前とゴール後に足の筋力測定を実施しています。
また、尿も検査のため回収しています。


ラソンレース中のランニングペースは、ランナーにつけてもらっているタイムチップにより測定しています。


ミオグロビンは、筋肉ダメージの指標として利用されています。

今回の検証では、尿サンプルのミオグロビンを測定しています。

ラソンレース後の足の筋肉痛については、デジタルスケールで自己申告してもらって評価しています。


さて、この試験の結果ですが。

ラソンのペースは、BCAA群とコントロール群で同様でした。

3.3 m/秒ということですので、計算してみますと、フルマラソンを3時間33分ということでした。
結構早いですよね。

レース前後での筋力の変化もグループ間に差はなかったそうです。

レース後の尿検査によるミオグロビン量も各グループで差が認められなかった。

また、筋肉痛の自覚的な違いも認められなかった。


今回の試験をまとめますと、

レース前7日間のBCAAサプリメントの摂取は、マラソンレースでのランニングパフォーマンスにプラスの影響を及ぼさなかった。

また、筋肉疲労や筋肉の痛みに対しても、BCAAアミノ酸サプリメントを摂取することがポジティブな結果に繋がることはなかった。


○ 個人的な感想

このことが何を意味するかは難しいところです。

単純に考えると、全く意味がないとも言えなくはないです。

しかしながら、良い結果に繋がっていないのは、量が足りない、日数が足りない、といった可能性もあります。

また、同時に炭水化物を摂ると変わるかもしれないといった可能性も残しています。

今回の話は、あくまで持久トレーニング、パフォーマンスについてあてはまるものだと思います。
その他の場合にどうなるかは、また別の機会があれば。


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BCAAサプリメントも筋肉を減らさずに体重コントロールには向いているのかもしれません。

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今回のトライアルの詳細は下記です。

A 7-day oral supplementation with branched-chain amino acids was ineffective to prevent muscle damage during a marathon.
Randomized controlled trial
Areces F, et al. Amino Acids. 2014.